研修企画報告

◆指定管理者制度情報交換会
日時:平成19年1月17日(木) 午後3時〜5時
会場:山内会館(高知市鷹匠町)

近年急速に導入が進んでいる指定管理者制度。高知県内の各施設でも、ここ1〜2年のうちに県をはじめ市町村の文化施設でも次々に導入されました。
そこでネットワーク会員間で指定管理者制度導入後の実際の状況について報告しあう、情報交換会を開催しました。当日は県内各地から多くの会員が参加し、この問題への関心の高さがうかがえました。
会場からは、当面の施設運営には従来よりも柔軟性が高まったことが評価される一方、中長期的な運営に関しては様々な問題点が指摘されました。

(発言要旨)
※個別の意見を、導入の利点・問題点に分けて整理しています。

・利点:
@収入は自治体に納入されていたが、施設の財源にまわせるようになったため収入増に力を入れるようになった。
A窺いを所轄の自治体にたてずに、運営主体独自の判断でできる事業がでてきた。(グッズ開発、料金改定・開館時間の変更など)
B常に導入時の契約内容・運営方針に沿っているか見直す必要があるため、館の存在意義を考える機会になった。

・問題点:
@現状ではそれほど事務的な面で大きな変化や問題点はないが、契約の細部につめができていない所があった。(例:施設修繕費の負担の問題など)今後本格的に民間業者が入札に入ってくるようになると、参考価格の提示や業績が求められるため、今よりさらに厳密なリスク分担が求められるだろう。
A契約期間満了後の状況がよめないため、正職員を採用するのが困難。職員の確保に問題が出ている。企画業務のような専門性や一定の経験が求められる職員が必要なところには、指定管理者制度は向かないのではないか。
B契約が決まる前から次年度の行事を決めておかないと運営が成り立たないので、指定を受けるか不透明のままの事業展開が求められる。
C契約時にも行事内容を別にして予算枠だけ先に設定されてしまうので、費用面での制約が大きい。枠をこえた予算確保は不可能なので、よほど収益をあげる事業でもしない限り、あらたな事業展開が見込めない。
D人的な手当やコストを削減して、開館延長や派手な展示を強制される。企業参入後にさらにこの状況が進んで補修も安い所で行うなど、資料保存の面で問題が出ないか不安。
E公的な施設に預けたつもりの所蔵者から、資料の寄託解除の申し出があった。施設の公共性が失われることで今後も所蔵資料の管理に問題が生じるのではないか。

(文責・山内家宝物資料館 藤田)